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早期対応、深刻化防ぐ 県警と児相、全虐待情報共有

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 県の児童相談所(児相)が、把握した児童虐待情報のすべてを県警に提供することになった。背景には、過去に児相が関与しながら、警察など他機関との情報共有や連携が不十分で子どもを救えなかった例が繰り返されたことがある。連携の強化により、虐待の早期発見につなげ、深刻化の防止を図る。

 県内の児童虐待対応件数は過去最悪を更新し続け、二〇一六年度は名古屋市の二千七百四十七件と合わせ、七千四十四件だった。一方、児相から県警への報告はごく一部で、命に関わる重大案件は情報共有してきたが、事件化を防げなかった例もある。

 名古屋市では一一年、中学二年の男子生徒が母親の交際相手の男に蹴られ、死亡した。市の児相が学校や住民から日常的な暴力を聞いていたが「男が反省の態度を示していたから」と県警には知らせていなかった。

 昨年末には大府市で、母親が二歳の長男に多量の睡眠薬を飲ませ、殺人未遂容疑で逮捕される事件が発生。その際、児相が長男の搬送先病院から通報を受けていながら、県警に情報を伝えていなかったことが判明した。通報の判断基準が児相ごとにばらついていたのが実情で、情報共有がないままでは警察の捜査が後手に回る恐れもあり、協定締結を検討していた。

 県警少年課の杉浦巌課長は「子どもの安全確保へ迅速な対応が可能になる」と強調。児相側には、警察の関与により家族の協力が得られにくくなるとの懸念があることにも触れ「警察か児相かどちらが前面に出るべきか。連携を増やす中で経験を積み、判断できるようになれば」と話す。

 NPO法人「シンクキッズ 子ども虐待・性犯罪をなくす会」(東京)は、全国の自治体に虐待情報の全件共有を求め、一五年と今年三月の二回、県と名古屋市にも要望した。代表理事で元県警警務部長の後藤啓二弁護士は今回の協定を評価し「役所の縦割りを排し、児相と県、市町村、警察の連携により子どもたちの命を守ってほしい」と期待を込めた。

 (安藤孝憲、石井宏樹)

 

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