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分野横断「生とは何」迫る 生命創成探究センター長・加藤さんに聞く

「多分野の研究者と連携して生命とは何かを探りたい」と話す加藤センター長=岡崎市の自然科学研究機構・分子科学研究所で

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 最先端の科学を研究する自然科学研究機構(東京都港区)が今月、生命の本質を探る「生命創成探究センター」を岡崎市に新設した。生命科学、情報科学、深海研究などの多分野の研究者が連携し「生きているとは何か」との根源的な問いに迫る。加藤晃一センター長(54)に研究の方向性を聞いた。

 ‐センター設立の目的は

 生命科学は、生命体を分子レベルになるべく細かく分解して機能を調べてきた。その代表例がゲノム(全遺伝情報)解析。ただ情報は解析できても、実際には個々の分子を組み合わせるだけでは生物にはならない。生物の仕組みを理解するためにはパーツ間の関連性を読み解くことが重要で、これまでにはない分野を横断した研究拠点が必要だと考えた。

 ‐生命体とは何か

 生命体と物質の境界は何なのか、分からないことが多い。放射線や零下二七〇度の低温など過酷な環境でも生き延びるクマムシの事例では、水分がない環境でも死なずに乾眠状態をとり、水分をとると通常の活動を回復する。最近ではバクテリア並みのサイズの巨大ウイルスの発見も増えており、境界がもっとあいまいになっている。

 ‐研究の進め方は

 「みる」「よむ」「つくる」の三段階で進める。タンパク質の動きをリアルタイムで見られる顕微鏡など最新機器を用いて、分子の動きや分子同士の関係性を観察・観測し、情報科学でビッグデータを解析する。それらを基に、人工細胞など生命の機能を持つものを、コンピューター上で設計した上で実際につくる。生命体を実際につくれるかどうかは分からないが、つくるプロセスを通して生命の仕組みを読み解きたい。

 ‐どのような研究者が参加するのか

 自然科学研究機構のうち、岡崎市の基礎生物学、生理学、分子科学の三研究所から十八の研究室が参加。過酷な環境で生きる極限環境生命や情報科学の専門家など、国内外の研究者とも連携する。

 (森田真奈子)

 <自然科学研究機構> 大学共同利用機関法人で、5カ所の研究機関と生命創成探究センターを含めた3センターで構成。研究機関は岡崎市の基礎生物学、生理学、分子科学の3研究所と、国立天文台(東京都三鷹市)、核融合科学研究所(岐阜県土岐市)。機構に所属する研究者のほか、全国の大学などの研究者も施設を利用できる。

 

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