トップ > 愛知 > 4月14日の記事一覧 > 記事

ここから本文

愛知

卒業式「袴」自粛、保護者ほっ 豊橋市教委

2年前まで十数人が袴を着ていた鷹丘小学校の卒業式で、この3月、袴姿の女子児童はいなかった=豊橋市西小鷹野で

写真

 県内各地で執り行われた三月の小学校卒業式。豊橋市内で注目されていたのが「袴(はかま)」だ。市教委は昨年四月、安全や健康面を理由に、卒業式での袴着用の自粛を求めるお知らせを保護者に配布。今春の式典では「市内で数人」(市教委)が着用したものの、保護者は自粛をおおむね歓迎したようだ。

 三月二十日、鷹丘小(豊橋市西小鷹野)の体育館。入場の合図とともに、膝元までのスカートや指先まで隠れるシャツに身を包んだ卒業生百三十六人が緊張の面持ちで会場内を進んだ。袴姿の児童はいなかった。

 式に出席した母親(43)は「市が方針を示して、正直ほっとした。女の子を持つ親同士では半年前から別の子が何を着るのか探り合いが始まって大変。娘は袴を着たがったが、予算や準備の負担は小さくない」と話した。

 市教委によると、女子児童の袴の着用は二〇一四年ごろから始まり、翌年に急増した。着慣れていないため階段で転倒するケースや締め付けによる体調不良、早朝からの着付けの影響による式典中の居眠りなどの報告を受け、市教委と市小中学校PTA連絡協議会で話し合い、昨年四月、自粛を選んだ。

 県内では、武豊町が一五年から家庭の経済負担などを理由に自粛を呼び掛けているが、教育委員会が方針を示す例は少ない。東三河でも、独自の判断で袴自粛を呼び掛ける小学校はあるが、教育委員会単位では豊橋市が初。市教委の担当者は「学校から方針を示してほしいとの声もあった。卒業式は六年間の中で一番重要な式典。万全の状態で思い出深い式にしてもらうための対応で、多くの保護者にご理解いただけていると思う」と話す。

 一方、和文化伝承協会(大阪市)の頼政恵美子理事長は「和服文化の否定につながりかねない。卒業式は子どもたちが和服文化に親しむ一つのきっかけでもあり、着たい物を着させてあげて」と反発する。

 (五十幡将之)

◆過度に華美にならぬよう

 <豊橋ファッション・ビジネス専門学校の宮野幸博校長> 袴姿での卒業式は約二十年前から短大などで流行し始め、大学や小学校に広まっていった。

 学校は集団生活を学ぶ所で服装に制約はあってもよいと思うが、世相の流れで「選択の自由」との考え方も広まった。いずれにせよ卒業式は、六年間の学校生活を全うしたことを表す場。その意義を服装で競うのは本来の目的にそぐわない。過度に華美にならないよう促すことが大切だ。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索