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「穂の国娘。」若者に勇気 不登校や自傷乗り越え5周年

5周年ワンマンライブで観客席にマイクをむける「ろみ」さん(前列左から2人目)と「穂の国娘。ぐるめいど隊」のメンバー=豊橋市駅前大通で

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 東三河地方のご当地アイドルグループ「穂の国娘。ぐるめいど隊」が九月、デビュー五周年を迎えた。華やかなステージに立ち、地元での知名度も上がってきたが、そのルーツは意外にも、社会になじめず、不登校や自傷行為を経験した若者が多く働いていた豊橋市のメイド居酒屋にある。

 九月三日、豊橋駅前のライブハウス。ぐるめいど隊の五周年を祝おうと、若者から中高年まで約二百人が詰め掛けた。午後三時、色とりどりの照明とともにメンバー八人が登場すると、会場は熱気に包まれた。

 結成のきっかけは、十年前にさかのぼる。地方ではまだ珍しかったメイド居酒屋を豊橋駅前に開こうと、経営者の戸川拓馬さん(37)が従業員を募集したところ、通常の店の三〜四倍の応募があった。その半数は不登校や引きこもり、自殺未遂などを経験し、非現実的な空間に憧れを抱く女の子たちだった。

 初期メンバーでリーダーの「ろみ」さん(22)もその一人。中学で不登校になり、高校入学後、この居酒屋で働き始めた。転機は五年前、地元豊橋の百貨店で開かれた物産展。実行委員だった戸川さんが結成したグループのメンバーに選ばれた。ステージに立つと、もっと大きな舞台に立ちたいという気持ちが燃え上がった。

 「当時は、世界が私を嫌っていると思っていた。真剣に活動のことを考えるようになってから、メンバーに意見を言えるようになった。今ではとてもプラス思考です」

 当初はオリジナル曲も無く、ライブの客は数人。今では持ち歌も十二曲に増え、東三河のまつりなどで数百人を前に歌い、豊橋市のコミュニティーFMでラジオ番組も担当する。米やミカンなど地元農産物のPRに奔走し、時にはもんぺ姿で農作業に汗を流す。

 結成当初からのファンという豊橋市の会社員男性(43)は「応援し始めてから、地元でも知らなかった場所やイベントを知ることができた。一緒に農作業ができるのも他のアイドルにはない魅力」と言う。グループや居酒屋のこれまでのメンバーには、アイドル活動や接客を通じて社会復帰し、看護師や美容師として活躍する人も多い。ろみさんは「過去の私を見ているような子もいる。私がここで変われたように、彼女たちを後押ししていきたい」と語る。

 戸川さんは現在、グループをプロデュースする団体「ほの国プロジェクト」の代表を務める。「家庭環境に問題があったり、人間関係に行き詰まったりする子は多い。メンバーが成長し、もっと輝くことで多くの若者に勇気を与えたい」と話している。プロジェクトはホームページで新メンバーを募集中。

 (五十幡将之)

 <穂の国娘。ぐるめいど隊> 豊橋市や豊川市出身者を中心とする17〜22歳のメンバーで構成。2012年9月、東三河の食農連携促進を目指し、豊橋駅前のメイド居酒屋のメンバーを中心に結成。現在はメンバー7人と研修生1人で活動している。三河弁を使った歌やダンスステージのほか、地元に密着した活動が特徴。メンバーの多くはメイド居酒屋で店員も勤めている。

 

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