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商社街の喫茶店、愛され60年 「レインボー」閉店へ

客に感謝の気持ちを告げる上田順一さん(中)と泰子さん(左)=名古屋市東区代官町のレインボーで

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 名古屋市東区代官町の喫茶店「レインボー」が二十九日で約六十年の営業に幕を下ろす。開店当初から一帯は商社街。高度経済成長を支えたサラリーマンの憩いの場でもあり、社交場でもあった。「また一つ昭和の明かりが消える」と惜しむ声が上がっている。

 店は一九三一(昭和六)年建設の太洋ビルの一階で、マスターの上田順一さん(68)によると、叔母が五九年の伊勢湾台風前に開店。ホテルマンだった上田さんが妻の泰子さん(65)と三十二歳の時に継いだ。

 三十人も入ればいっぱいの店内だが、ピークの六〇年代半ばには三、四人の女性とバーテンダー二人を雇っていた。当時バイトしていた上田さんは「一度にコーヒー百杯の出前注文があった」と盛況ぶりを振り返る。相席になった人同士で商談が始まったり、話が弾んで釣りに行ったり。「社交場だったんだね」と懐かしむ。二十年ほど前には客とスキーや懇親会を楽しむ「レインボー会」もあった。

 開店当時から名物はタマゴサンド。卵三個を使い、とろっと軟らかいオムレツをふわふわのパンに挟んで三等分にする。二十八日も「最後に食べたい」と注文が相次いだ。

 「客商売が好きでここまで続けてこられた」と上田さん。だが、朝五時半から仕込み夜七時に片付けを終える生活。年とともに体力の衰えを感じ、閉店を決めた。上田さんと泰子さんは「客に恵まれた。満足感でいっぱい」と穏やかな表情を浮かべた。二十九日は午前七〜十一時半まで。

 (塚田真裕)

 

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