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リニア通勤「起爆剤に」 一宮駅周辺、容積率大幅緩和へ

容積率緩和による開発促進が期待されるJR尾張一宮駅や名鉄一宮駅(右奥)周辺=市役所で

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 二〇二七年のリニア中央新幹線名古屋−東京・品川間開通を見越し、一宮市がJR尾張一宮駅や名鉄一宮駅周辺の延べ床面積の上限(容積率)規制を大幅に緩和することが明らかになった。マンションや商業ビルの開発を促し、名古屋から至近の地の利を売りに、東京が名古屋からの「通勤圏」となったときのベッドタウンを目指すといい、中野正康市長は「緩和を開発の起爆剤にしたい」と意気込む。

 十七日から住民説明を始め、来年三月には市の都市計画を変更する予定だ。

 市によると、現在、両駅周辺の商業地の多くは周囲の景観や環境に配慮し、容積率が400%。尾張一宮駅前の一部に600%の区域があるが、計四ヘクタールと狭いため高層、大型化が難しく、高さ十メートル以下の低層の建物が大半を占めている。

 今後、両駅周辺の区域計二十ヘクタールの容積率を600%に緩和。建物の延べ床面積の上限が現在の一・五倍となり、高層マンションや商業ビルなどの大型の建物が造りやすくなる。

 同じ敷地面積と構造なら現在より一・五倍高い建物が建てられる。

 一宮市は名古屋駅から電車で十〜二十分程度。リニア開通後は乗り継ぎ時間を除き、東京へ一時間ほどで行ける好立地にある。しかも、名古屋市内に比べ、地価も比較的安く、市は「リニアインパクトを受けやすい」と見込んだ。

 県内で、容積率600%以上の地区があるのは名古屋、豊橋、豊田、岡崎、一宮の五市。緩和で一宮市の容積率600%以上の区域は二十四ヘクタールとなり、名古屋市(六百八ヘクタール)に次いで県内二番目の広さとなる。

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 容積率の緩和に合わせ、対象区域に新たに防火地域を設定。高層の建物が密集し、火災が延焼で大規模化することを防ぐため、建物を耐火構造にするよう義務付ける。

 一方、五百平方メートル未満の敷地に建設する場合は緩和を適用しない方針で、例外規定を条例で設ける。

 狭い土地の集約を図るとともに、狭い敷地に建ち、防災や景観上の問題がある「ペンシルビル」の乱立も防ぐ。

 七月に発表された路線価によると、尾張一宮駅前(一宮市栄三)は一平方メートル当たり二十一万五千円で、ここ六年で二割近く上昇。

 名古屋市の不動産鑑定士岩田肇さん(62)は「名駅への近さ、便利さの魅力を考えても、開発の余地が多く残され、周辺都市と比べても一宮の伸びしろは段違いに高い」と話す。

 中野市長は取材に「一宮は都市の便利さと自然がほどよくある。東京へリニア通勤するビジネスマンも呼び込みたい」と話す。

 (植木創太)

 <容積率> 敷地に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合で、大きいほど、高い建物が建てられる。600%ならば、敷地面積の6倍まで可能。都市計画や前面道路の幅員などによって自治体が指定する。建築基準法では、指定された容積率の範囲内で建築しなければいけないと定めている。

 

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