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ビール電車愛され25年目 豊橋鉄道

車内を装飾する今泉さん=豊橋市東田町の赤岩口車庫で

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 豊橋鉄道市内線の夏の風物詩「ビール電車」の運行が十二日から始まる。開始当初は豊鉄の社員が接客を担当していた企画。二十五年目を迎えた現在も装飾は同社鉄道部の社員らが担当し、手作りの心で乗客を迎えている。

 豊橋市東田町の赤岩口車庫。市内線営業所長の今泉隆優さん(58)と鉄道部運輸営業課係長の河合秀文さん(36)が、市内のホームセンターなどで買いそろえた装飾を次々に取り付けていく。普段は通勤通学に活躍する三二〇〇形の車内が一気に華やいだ。

 四半世紀前にビール電車のアイデアを出したのは、当時、同社鉄道部運輸課長だった鈴木光さん(80)=田原市赤羽根町。路面電車を運行する事業者の全国会議で、高知市の土佐電気鉄道(現とさでん交通)が車内でビールを飲める列車の運行を始めたことを知り、社内の会議で報告したのがきっかけだ。

 当時は百貨店屋上などのビアガーデンが大盛況。集客が確保できるか半信半疑の中、鈴木さんは自ら地元企業などに出向いて団体利用をPRした。乗車してくれた企業を翌年に再び訪ね、固定客が生まれるようになった。市内線の利用者が減りつつあった当時、鈴木さんは「電車を存続させるには何とかして乗ってもらいたい気持ちがあった」と振り返る。

 当初、さきいかやポテトチップス、ハムといった簡単なおつまみは鈴木さんら運輸課の社員が準備した。現在のように専用に設計した机はなく、折り畳み式の会議机を使った。

 最初の二年間は缶ビールを提供したが、一九九五年にビールサーバーを導入。今泉さんも運転士時代に接客した経験があり「慌ててついで泡が多くなって、お客さんに怒られたこともある」。二〇〇六年から人材派遣会社の社員が接客を担当している。

 通常ダイヤの合間を縫って運行するビール電車は、営業所長の今泉さんも運転席に座る。「ビール電車のために東京から新幹線で来てくれる。リピーターが顔と名前を覚えていてくれるのもありがたい」。酔客の笑い声を背に、今年もハンドルを握る。

 (阿部竹虎)

 <豊橋鉄道市内線のビール電車> 今夏の運行は12日から9月24日まで。平日2便、土日・祝日は3便運行。個人は3300円、定員28人の貸しきりは8万8000円。同社によると6、7月の便は週末を中心におおむね予約で埋まっている。申し込みは、豊橋鉄道ビール電車予約専用ダイヤル=0532(53)2135=へ。

 

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