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長期療養者の就労を支援 ハローワーク名古屋中が専用窓口

ハローワーク名古屋東が、県がんセンター中央病院で行った出張相談。がん患者の就職の相談に乗った=名古屋市千種区で

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 がんや糖尿病、肝炎など長期療養が必要な患者の就職を支援するため、ハローワーク名古屋中(名古屋市中村区)は今月、専用の相談窓口を設けた。県内ではハローワーク名古屋東(名東区)に続き二例目。名古屋市立西部医療センター(北区)の医師らの助言を受けながら、無理なく働き続けられる職場を紹介する。二十五日に西部医療センターで予約制の無料相談会を開く。

 ハローワーク名古屋屋中と医療センターは一日、協定を締結。専用窓口には「就職支援ナビゲーター」として精神保健福祉士と社会福祉士を配置した。

 ナビゲーターは希望する職種を聞き取り、医師の所見も参考に「乳がんのため、重たい物は持てない」「抗がん剤の副作用で指先がしびれる」など、個別の事情を把握。求人票に書かれた勤務条件を参考に、適職を探す。

 愛知労働局によるとがんなどと診断されたため、解雇されたり、依願退職したりする人は少なくない。病状の急変などを心配し、正社員として雇い続けることに難色を示す企業もある。

 ナビゲーターは採用に二の足を踏む企業側に「がん患者でも働ける」ことの理解も求める。

 名古屋中の吉田克年所長は「がんなどを理由に、能力のある人を排除することは企業にとっても損失。患者自身にチャンスをもらえるよう、紹介に力を入れたい」と話す。

 国立がん研究センターの集計によると、がん患者の五年後の生存率は、男性の前立腺がんが97%、女性の乳がんが91%、全部位の平均で62%など、医療技術の進歩で改善されてきた。働き続けることを希望する人も多く、厚生労働省はハローワークによる就労支援を全国で進めている。

 西部医療センターでは二十五日以降、毎週木曜の午前十一時〜正午と午後一〜四時、四階相談室で予約制の相談会を開く。(問)ハローワーク名古屋中=052(582)8171

◆24人が就職、大半は非正規 窓口先行開設の「名古屋東」

 ハローワーク名古屋東は二〇一五年八月、県がんセンターと連携して、長期療養者向け就職相談窓口を開設した。

 一六年九月末までに四十四人から相談を受け、うち二十四人の就職が決まった。大半が非正規やパートで、正社員は三人だった。

 いずれも残業はしにくく、定期的に通院する必要があり「どうしても非正規になりがち」と相談員。相談は四十代以上や女性からが多かった。

 就職につながらなかった二十人には、症状が重くなったため、治療に専念することになった人もいる。がんと診断されたことを思い切って上司に伝えたところ、体力的な負担が少ない部署に異動となり、転職が不要になった人もいるという。

 がん患者は体力が低下し、長時間の立ち仕事や寒い場所での作業は向かない傾向がある。愛知労働局の中森幸司・職業紹介係長は「ちょっとした配慮で受け入れはできる。態勢の整備を、企業側にも積極的に働き掛けたい」と話した。

 (竹田佳彦)

 

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