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「球状コンクリーション」自然生成の謎研究 名古屋大博物館

ニュージーランドの巨大コンクリーションと吉田教授=ニュージーランドで(吉田教授提供)

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 世界中の地層で発見される石のような塊で、真ん丸い形から人工物と間違われることも多い「球状コンクリーション」の生成メカニズムが、名古屋大博物館(名古屋市千種区)などの研究で分かってきた。仕組みを応用すれば建造物の補修などに生かせるという。

 球状コンクリーションは炭酸カルシウムの塊で、直径数ミリから数メートルまでさまざま。中にはカニや魚、アンモナイト、クジラの頭など保存状態の良い化石が含まれていることが多い。地表に丸く飛び出して見つかったり、海岸で何百と発見されたり。神社のご神体としてあがめられた例もある。国内外で古くから存在が知られていたが、炭酸カルシウムが球状に集まる詳しい仕組みは未解明だった。

 名大博物館の吉田英一教授(環境地質学)らは、富山県の二千万年前の地層内で見つかった貝の一種ツノガイの化石入り球状コンクリーションを分析。球状部分の炭素と、ツノガイの体に含まれる炭素が一致した。

 粒子が細かく均一な海底の土中で、生物が死んで腐り、周囲に炭素が拡散。海水のカルシウムと反応して炭酸カルシウムとなり、風船が膨らむように急速に形成されていた。ニュージーランドのモエラキ海岸のように多数が確認される場所は、隆起前の海だった時代、何らかの生物の群れがいた可能性があるという。

 形成されたコンクリーションは、時間とともに結合が強固になり、水などを寄せ付けないバリアーのような働きをする。ひびが入っても自動修復されるといい、吉田教授は「コンクリートの建造物や地下トンネルの補強技術などに応用できるよう実験中」と話す。

展示されている黄鉄鉱の球状コンクリーション=名古屋市千種区の名古屋大博物館で

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 これまでの研究成果が名大博物館で開催中の特別展「球状コンクリーションの謎」で紹介されている。吉田教授が集めた日本や世界の産出品など二百点を並べ、研究の最前線を伝える。最古級のものやシリカ、黄鉄鉱でできたものもある。

 七月八日まで。無料。会期中に特別講演会もある。開館は午前十時〜午後四時。日、月曜休館。(問)同館=052(789)5767

 (小椋由紀子)

 

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