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新人記者の奮闘記

2017年度の編集職・新入社員は8月、初任地に配属されました。取材・整理の各現場で奮闘する新人記者5人のエピソードを紹介します。

変死事件で未熟さ痛感

9月1日午後11時過ぎ、草津署から変死体の発見という広報文が出た。キャップとともに草津署に向かい、調査官が発する情報を必死に書きとった。しかし、この日はメモ取りのみで、原稿を書くキャップの力になれなかった。
翌朝は現場付近で近所の方に話を聞いて回った。今日こそ原稿に使われるような話を聞き出したいと意気込んでいたが、前日に別の先輩記者が聞いていた内容を上回る新しい情報は得られなかった。悔しい思いをした。限られた時間の中で、最大限の話を聞き出すには、的確な質問力が求められる。それが足りないことを痛感した日だった。
原稿の未熟さも痛感している。何がニュースか、何を読者に伝えるか熟考し、責任感を持って仕事に臨みたい。

名古屋本社大津支局

市川 勘太郎

頭がパンクの緊急会見

岐阜県にある鉄工所が自己破産を発表する緊急記者会見に出席した。
会見が決まったのが二時間前。経済部から現地に行けるのは私だけ。「自己破産?」「手形の不渡り?」…。行きの電車で用語を検索し、ニュースを分かった気になっていた自分を恥じた。
現場ではメモ取りに必死で、写真は散々。現地から帰るタクシーの予約も忘れ、同席していた先輩記者の車に途中までお世話になった。
支局で原稿用紙に向かったが、頭が情報でパンクし三十五行が果てしなく長い。やっと書いてファクスで送り、帰りのタクシーでも修正を続けた。本社に着いたら早版が既に組み上がっていた。 急な要求にも確実に応えねばならないという、記者の醍醐味を感じる取材だった。

名古屋本社編集局経済部
(現 岐阜支社関支局)

鈴木 太郎

販売店の言葉 肝に銘じ

「やっぱり地方面が一番」「朝刊の店着が遅れたら配達できない」…。面を組んでいると、販売店実習中に聞いた声が頭のなかで再生される。
面を組む際に肝心なことは、時間と知識ではないだろうか。基本的な知識がないと送られてきた原稿に見出しをつけるのが難しいことが多く、時間もかかるのだ。しかし私が立ち止まろうと、時が私を待ってくれることはない。未熟な私が、自らの出来の悪さに嫌気が差したことは、一度や二度ではない。
そんなときに思い出すのはあの言葉たち。心の中で、彼らは私を奮い立たす。読者に読みやすいと思ってほしい。販売店の方々に迷惑をかけたくない。そして何より、彼らに恥じない紙面を作りたい。その思いがあるからこそ、私は日々踏ん張れている。

名古屋本社編集局地方部

西村 理紗

焦りで取材おろそかに

名古屋市で開催された、なごやめし博覧会でのオープニングイベントの取材。午後六時開始だったが、その日は他に三本の記事の作成が待ち構えており、一刻も早く会社に戻りたかった。
ステージイベントの写真は撮れ、企画内容も確認できたので、三十分ほどで切り上げて帰社。死に物狂いで原稿を書き上げた。だが「資料見るだけで書ける駄目な記事だね」とデスクの一言。企画内容の説明ばかりで、会場の出来事については数行しかないことにようやく気づいた。
以前、先輩記者に言われた言葉を思い出した。「この仕事は、読者の代わりに現場に行き、それを伝えることに対してお金をもらっているんだ」。時間に追われる中で、読者に不誠実な態度を取ってしまったことを深く恥じた。

名古屋本社編集局社会部
(現 名古屋本社三重総局)

渡邊 雄紀

ニューセンス磨こう

古本市の取材をした。正直、取材に行く前は県版に出す記事の一つと思っていた。
話を聞くと、保管のために五つの倉庫を借り、たった数人で八千冊以上の本を移動させているという。それも四十年間。相当な苦労だ。それでも、「本が好きだから」と話す人たちが魅力的だった。
出稿後、一人の方が富山ではなかなか出会いない本紙の読者だったことを支局長に伝えると、北陸で始まったばかりの「読者発」で取り上げられないかという話になった。細かいところを取材し直し、写真も撮り直して社会面の大きな記事になった。
「感度が大事」とよく言われる。「こんなことがありました」と書いて満足するのではなく、話を聞くうちにピンと来るかどうか。一人でもそれができるよう、感性を磨きたい。

北陸本社富山支局

柘原 由紀